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宮部 昌文; 大場 正規; 赤岡 克昭; 加藤 政明*; 長谷川 秀一*; 若井田 育夫
Applied Physics A, 126(3), p.213_1 - 213_10, 2020/03
被引用回数:6 パーセンタイル:38.95(Materials Science, Multidisciplinary)低圧希ガス雰囲気中のアブレーションプルームの動的挙動を、3つの高融点金属であるチタン,ジルコニウム,ハフニウムを用いて、レーザー誘起蛍光撮像法によって調べた。これらの元素のプルーム膨張挙動を比較することで、プルーム構造の形成過程における質量数の影響を明らかにした。以前、ガドリニウムで報告した半球形の薄層と空洞構造が、これらの元素でも観察された。質量数が増えるとプルームサイズが増加し、半球層は薄くなることが分かった。Tiの基底状態原子は、プルーム中心部にも比較的多く存在することが観察された。このTi原子の持続時間は300マイクロ秒程度であり、調べたどの原子・イオンよりも長かった。さらに、多元素試料から生成されるアブレーションプルームでは、質量に依存する元素分別が観察された。これらの結果は、観測されたプルーム構造が、イオンと電子の再結合過程、および、ガス原子との多重衝突によるアブレーション粒子の反跳によって生じることを示唆している。
宮部 昌文; 大場 正規; 飯村 秀紀; 赤岡 克昭; Khumaeni, A.*; 加藤 政明; 若井田 育夫
Spectrochimica Acta, Part B, 110, p.101 - 117, 2015/08
被引用回数:25 パーセンタイル:82.1(Spectroscopy)レーザー誘起蛍光撮像法を用いて雰囲気ガス中のアブレーションプルームの動的挙動を調べた。YAGレーザーの2倍高調波光をガドリニウムの酸化物や金属試料上に照射し、生成したプルームにはシート状の紫外色素レーザー光を交差させて、様々な時刻の蛍光像をICCDカメラによって撮影した。得られたプルームの断面画像から、ガドリニウムの基底状態の原子やイオンが、プルームとガスの境界の半球層内に蓄積されることや、プルームの中心部に粒子密度の少ない空洞が生じることが明らかになった。膨張の初期段階では、その空洞内を別の明るい成分が膨張し、半球層と合流する様子も観測された。このようなプルームの分離や合流は、イオンに比べて原子の方が遅く現れた。また半球層の出現もイオンに比べて原子の方が遅いが、出現位置はほぼ同じであった。このような出現位置の一致や出現時間のずれは、半球層の原子が、イオンとガスの衝突による三体再結合反応によって生じることを示唆している。得られたプルームの膨張ダイナミクスやプルームの詳細構造に関する知見は、レーザーアブレーションを利用する様々な遠隔分光分析法の実験条件を決める上で有用である。
大場 弘則; 西村 昭彦; 小倉 浩一; 柴田 猛順
JAERI-Research 2000-033, 17 Pages, 2000/08
原子法レーザーウラン濃縮では、電子ビーム加熱で生成したウラン原子にレーザー光を照射し、Uのみをイオン化して回収する。電子ビーム加熱でウランを蒸発させると熱励起や電子ビームによる励起で蒸発原子が上準位に多く分布する可能性があり、準位分布はレーザー分離の対象となる原子密度を知るうえで重要である。ここではレーザー誘起蛍光法でウラン原子の準安定準位密度を測定した。準位密度分布から求めた原子励起温度は推定蒸発面温度(~3000K)より低く、蒸発量を増加させるとともに2000K程度まで低下し、蒸発した原子のほとんどが基底準位及び下準位に分布することがわかった。
一ノ瀬 暢之; 田中 智子*; 河西 俊一; 鈴木 友恵*; 遠藤 一宏*
Journal of Physical Chemistry A, 103(40), p.7923 - 7926, 1999/10
被引用回数:22 パーセンタイル:70.26(Chemistry, Physical)308nmレーザー光を用いて光誘起-電子移動反応によりアセトニトリル溶液中に発生させた1,3,5-トリメトキシベンゼンラジカルカチオン(TMB)を遅延時間を持たせた532nmレーザー光により励起すると612nmに極大を持つ蛍光スペクトルが観測された。蛍光量子収率は210で溶液中のラジカルイオンとしては最大の値を示した。蛍光強度と遅延時間の関係は過渡吸収法によって得られたTMBの生成消滅のダイナミクスと一致し、励起TMBからの蛍光であると同定した。しかし、ほかのメトキシベンゼン類ではこのような蛍光は観測されなかった。分子軌道法によりこの蛍光は第二励起状態から基底状態への遷移であることがわかった。さらに第三励起状態と第二励起状態との準位差が大きいこととTMBがD対称に近い構造をもつために第一励起状態と基底状態がほぼ縮重していることが蛍光放出の原因であると結論した。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*
Environmental Science & Technology, 33(22), p.4016 - 4021, 1999/00
被引用回数:46 パーセンタイル:74.45(Engineering, Environmental)水溶液中でポリアクリル酸、ポリメタクリル酸で被われたモンモリロナイトなどの有機-無機複合体上に吸着したEu(III)のスペシエーションに時間分解蛍光法を応用した。Eu(III)吸着種の発光寿命、発光スペクトルの測定から、Eu(III)はEu(III)-ポリカルボン酸錯体としてモンモリロナイト上に吸着することを見いだした。さらに、Eu(III)-ポリカルボン酸錯体及び無機Eu(III)化学種の安定性が有機-無機複合体上のEu(III)吸着種を制御することを明らかにした。これらから、天然水系においてEu(III)がフミン酸-粘土鉱物などの有機-無機複合体と接触すると、Eu(III)はフミン酸錯体として吸着することが示唆された。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 巻出 義紘*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 239(2), p.335 - 340, 1999/00
被引用回数:15 パーセンタイル:72.26(Chemistry, Analytical)天然に存在するフミン酸のような高分子有機酸とアクチノイド(III)及びランタノイド(III)との錯形成は重要であるが、その不均一性によりその錯構造は明らかではない。Eu(III)とポリカルボン酸[ポリアクリル酸(PAA),ポリマレイン酸(PMA),ポリメタクリル酸(PMAA),ポリヒドロキシアクリル酸(PHAA)]をモデル物質に用いて、レーザー誘起分光法により錯体の水和数Nの測定からその構造を研究した。PAA錯体ではpH2.5から錯形成し、3.5pH9で2.5N4であった。PMM及びPHAA錯体のNは安定度定数と逆の順序(PHAA錯体PAA錯体PMA錯体)であった。これは、より多くの脱水和により安定な錯体が形成されることを示す。PMAA錯体のNのpH依存性は他の錯体と異なり、pH7で極大を示した。pH滴定、粘性測定からPMAA錯体の急激な形態の転移としてこれを解釈した。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Radiochimica Acta, 82, p.227 - 232, 1998/00
固液界面での反応の研究では直接的な分光法による化学種の分析が不可欠である。本報では、水溶液中のモンモリロナイト、アエロシル上のEu(III)吸着種のキャラクタリゼーションにレーザー誘起蛍光法を適用した。モンモリロナイト系では、pH6でEu(III)の水和イオンが吸着した。このpH範囲でモンモリロナイト表面の水層によると思われる励起Eu(III)の消光が見られた。8pH13では5~7の内部水和水を失ったEu(III)が吸着した。この化学種は炭酸錯体などの無機錯体と考えられる。またpH9ではEu(III)沈殿によると考えられる短寿命(100s)成分がみられた。アエロシル系では、pH6でEu(III)は吸着した。Eu(III)の発光寿命はきわめて長く、8pH11で吸着種の内部水和数は0.5~2であった。pH=7におけるこの値は4.5から2へと経時変化した。これから、吸着したEu(III)はアエロシルのSiOに取り込まれると考えられる。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳孝*; 富永 健*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, Letters, 212(1), p.11 - 21, 1996/00
ポリアクリル酸及びポリマレイン酸錯体中のユウロピウム(III)に結合した水分子数を評価するために、それらの蛍光寿命を測定した。支持電解質濃度が0.01Mの場合、錯体中のユウロピウム(III)に残存する水和数は3.5~4.5の範囲であった。残存水和数は支持電解質濃度の増加とともに減少した。これらの結果は、錯体中のユウロピウム(III)は高分子配位子によりとり囲まれていることを示す。
宮部 昌文; 大場 正規; Jung, K.; 赤岡 克昭; 若井田 育夫
no journal, ,
炉心溶融で生じた燃料デブリの核種組成分析のため、レーザーアブレーション法を用いる遠隔分析法の開発を行っている。この方法では、発生するプルームと雰囲気ガスの相互作用がプルームの時間発展に大きな影響を与え、分析性能にも影響する。そこで共鳴蛍光法や共鳴吸収法を用いてプルームや雰囲気ガスの挙動を調べ、ガスとアブレーション粒子によって形成されるプルームの立体構造を明らかにした。特に、大気中のアブレーションでは、ガスとプルームの接触面に微粒子やクラスタが生成され、中性原子はその中心部分に存在することや、その存在時間が明らかになった。これらの知見は、アブレーション共鳴吸収・蛍光分析法やレーザー誘起ブレイクダウン分析法の測定条件の最適化や、高感度化研究において重要と考えられる。